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幸せなアート見つけた

先日パブリック・アートは幸せかという文章を書きましたが、私の住んでいる関戸周辺でやっと幸せなアートを見つけました。娘家族が、ダンナが京都出張で泊りにきていたのですが、孫が2人とも風邪ぎみ、薬を忘れたからと地元の小児科への送迎をさせられました。その待ち時間に外をぶらぶらしていて見つけたのがこのパブリック・アートです。
アートのタイトルは「お天童さまと上向き童子」、作者は薮内佐斗司さんです。

ろくせぶ.JPG

場所は、区画整理で2006年につくられた「ろくせぶ」公園の中です。ここでは毎年自治会の防災訓練をやるのですが、出席率の悪い私は、それがあることに気づきませんでした。
「ろくせぶ」は、漢字で「六畝歩」と書きます。そう面積の単位で、595.04平方メートルだそうです。初めてこの公園の名前を耳にした時は、変な名前だなぁ〜と思ったのですが、その意味を知って納得、評価は逆転しました。

実はこのあたり、むかしは多摩川の氾濫原でした。当時の多摩川は大水が出るたびに蛇行を繰り返し、川筋が定まりませんでした。やがて(おそらく江戸時代頃だろうと思うのですが・・・)堤防が築かれ、川が真っすぐになると、これまで河原だったところに田んぼがつくられるようになります。

ところが明治の初めに大水が堤防を突き破り田んぼが水浸しになってしまいました。その時に、1枚あたりの田んぼの面積を六畝歩にしようということになったようです。それだと洪水の後で面積をめぐっての揉めごとがなくなるからでしょう。以来このあたりは「ろくせぶ」と呼ばれるようになります。他にもつい最近まで「かこいば」とか「せいきやと」「いっぽんばし」といった名前が残っていました。

このアートは、多摩の横山「向ノ丘」で童子がお天道さんを見上げ、その足下でうさぎやかえるが遊んでいる姿を表現したもので、その表情は、薮内さんらしくユーモラスのある表情をしています。(ちなみに薮内さんは平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター「せんとくん」をつくった方です)

ここの場所がもつ文化的・歴史的な文脈に基づいてつくられているこのアートは、見る者に過去の記憶を蘇らせてくれるという点で成功しています。そして、このユーモラスのある表情は遊びにきた子どもたちに愛されるでしょうから、その意味で幸せだとも言えます。
ちょっと無粋なのは、回りに鎖が張り巡らせれていることです。
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